採種用に残しているオクラ「ダビデの星」が、たくさんの蕾をつけはじめました。莢を採るための株ではなく、来年の種をとるための株です。ふくらんだ蕾を見ていると、今年の収穫よりも先に、来年の畑のことを考えてしまいます。
「ダビデの星」ってどんなオクラ?
イスラエルから伝わったとされる品種で、名前の由来は莢の断面です。輪切りにすると角がくっきりと出て、星形に見えます。よくある五角オクラとくらべると莢が太く、丸みのある独特の形をしています。
大きく育っても比較的やわらかく、粘りが強いのも特徴です。20cm近くまで育った莢を刻んでみると、糸を引くような粘りが出ます。スーパーではまず見かけないオクラなので、はじめて食べる方には形からして驚かれることが多いです。
固定種だから、種をつなげる
この品種は固定種です。自分の畑で種をとって翌年まくと、同じ性質のオクラが育ちます。市販の種の多くを占めるF1品種では、こうはいきません。
毎年種を買わずに済むという経済的な理由もありますが、それ以上に、その土地の環境で育った株から種をとりつづけることで、少しずつ畑に合った性質になっていくと言われています。大東市の小さな農園で、その土地の種を育てていけたらと考えています。
採種用の株は、収穫しない
採種のためには、莢を若いうちに収穫せず、株につけたまま完熟させます。食べごろのやわらかい莢を横目に見ながら、あえて採らずに置いておく作業です。少しもったいない気もしますが、ここを我慢しないと種になりません。
莢は次第に大きく硬くなり、やがて茶色く枯れてきます。開花からおおよそ1か月半ほどが目安です。莢がしっかり乾き、振るとカラカラと音がするようになったら収穫のタイミングです。
採種のときに気をつけていること
- 採種する株を先に決める — 生育がよく、病気の出ていない株を選びます
- 晴れた日に収穫する — 湿ったまま保管するとカビが出ます
- 収穫後もよく乾燥させる — 風通しのよい日陰でしっかり乾かしてから莢を割ります
- 冷暗所で保管する — 乾燥剤を入れた密閉容器に、品種名と採種した年を書いて入れておきます
オクラは自分の花粉で結実しますが、虫が花を訪れることで他の品種と交雑することがあります。複数の品種を育てている場合は、株の距離を離すなどの工夫が必要です。
来年の畑のために
種をとる作業は、その年の収穫にはつながりません。効率だけを考えれば、種は買ったほうが早いのかもしれません。
それでも、この畑で育った株から種をとって、来年またここにまく。その積み重ねが、耕作放棄地から再生させたこの農園を、少しずつこの土地のものにしていくのだと思っています。
まずは無事に莢が実ってくれることを願いつつ、しばらく見守ります。
